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一般相対性理論、のこと(1) -「一般」と「特殊」の違い- [科学]

すでにご存じのように、アインシュタインの発表した相対性理論には、これまで紹介してきた「特殊相対性理論」の他、「一般相対性理論」があります。このふたつの理論にはどんな違いがあるのでしょう。

一言で言えば、一般相対性理論特殊相対性理論の応用範囲をさらに拡張したものです。というのも、特殊相対性理論は、かなり限定された条件下でのみ、適応できる理論だからなのです。

これまで特殊相対論を解説した中で、すでにお気づきになった方もいらっしゃるかと思いますが、特殊相対論等速直線運動を行っている物体にのみ適応できる理論なのです。
この等速直線運動という運動は、私たちの日常を考えても、かなり特殊な運動であると言わざるを得ません。

等速直線運動とは、その物体が加速も減速もすることなく、さらにコースを変えることもない状態で永遠に同じ速度で動いていることを示しています。ですが、私たちが地球上にいる限り、常に重力によって下へ下へと引っ張られていますし、それによって生じる摩擦や空気抵抗によって、運動する物体は徐々にスピードが落ちたり、逆に重力によってスピードが増したりします。
実をいうと、これは地球を周る人工衛星もまったく同じなのです。人工衛星は猛烈なスピードで動いているために、落下するはずの場所に地面がないというだけで、私たち同様、やはり地球の引力に引かれて落ち続けているのです。

つまり、本当の等速直線運動は、周りにどんな物体も存在しない、宇宙の果てへでも行かないと実現できないのです。

このように、非常に特殊な運動状態にある物体にしか適応できないところから、特殊相対性理論は、その名の通り「特殊」という名前が付いているというわけです。

ですが、これから紹介する一般相対性理論は、加速や減速、コースが曲がるといった、加速度運動を行う物体にも適応できる相対性理論なのです。

特殊相対論と一般相対論の違いをお分かりいただけたところで、徐々に一般相対論の世界に入っていきましょう。


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kaz

今回の解説も理解できましたが、コメントできるレベルではないという事です(コメントしている?)。

決してkyaoさんの力不足ではございません。僕の知識不足が問題なのです(苦笑)。

次回からは、こっそり参加します。
脱線:仲間さん着用のジャージが売れているそうですね。番組は観ていませんが、ニュースで知りました。
by kaz (2005-02-17 22:54) 

MiLD_GiNGER

なるほどなるほど
より現実的な理論ってことですよね?
ここまではわかります。
こっからが本番ですね、頭を柔らかくしてガンバリマス^^
by MiLD_GiNGER (2005-02-17 23:16) 

おぉ、ベクトルだ。。。角速度だ。。。
なんだか力積とか運動・位置エネルギーなどの言葉が頭をよぎります。
そして微分・・・うっ!頭痛が。。。なんて。
クリアな頭で参加したいとおもいます。
by (2005-02-18 00:15) 

kyao

おお、たくさんのみなさんが参加してくださっている。いつもありがとうございます。m(__)m

kazさんへ
こんにちは。いつもレスをありがとうございます。いつもお付き合いくださって恐縮です。(^^)
>僕の知識不足が問題
いえいえ、そんなことはないですよ。気を使ってくださり、ありがとうございます。こういうお話をするときは、やはりきちんと数学や科学の基礎を押さえておかないとダメですよね。今度、機会をつくって物理や数学の基礎もやってみたいかなあと思ってます。自分の基礎固めにもなりますし。
>仲間さん着用のジャージ
「前回のごくせんで仲間さんが着ていた!」というだけでずいぶん販売数が違うらしいので、「ごくせん」には、いろいろなジャージのメーカーさんからたくさんの提供があるそうですよ(笑)。でも、あれは彼女が着るから格好良いわけで…。しかも彼女は1話で12着くらい着替えているそうです(気が付かなかったなあ…)。(^^;

MiLD_GiNGERさんへ
こんにちは。レスをありがとうございます。
>より現実的な理論ってことですよね?
そうです、そうです。そこさえわかって頂ければまったく問題ないです。(^^)
徐々に「向こうの世界」へ入っていきますが(笑)、わかりにくい部分などありましたら、ご指摘頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

スナフさんへ
こんにちは。いつもレスをありがとうです。
>微分
本当は微分・積分も面白いんですけどねー(笑)。ただ、ここでやるのは抵抗があるのでやりません。(^^) 今まで暗記するしかなかった数学の公式が、積分で導けたときは感動しました。(^^)
by kyao (2005-02-18 09:37) 

あき

こんにちは。
私は今中学で『運動とエネルギー』の分野を勉強しています。
そのなかで、「雨粒には重力が働いているのに、どうして一定の速さで落ちてくるのだろうか』というテーマでレポートを書く事になりました。高い所から落ちてくるのだから、加速して地面に触れる頃には超高速になっているはずなのに、なぜそうはならないのでしょうか?教えてください><
by あき (2005-05-03 10:01) 

kyao

あきさん、こんにちは。私のブログにお越しくださって、どうもありがとうございます。
さっそくですが、あきさんのご質問について、私が分かる範囲でお答えします。
まず、落下する雨粒には、地球の引力の他、大気による空気抵抗が影響することを覚えておいてください。
引力の影響で、雨粒は時間が経つに連れてどんどん加速されますが、これは、さらに大きな空気の抵抗を受けることを意味します。そのため、ある一定の距離を落下すると、雨粒は引力によって加速しようとする力と、落下に抗しようとする空気抵抗が釣り合って、それ以上スピードが上がらなくなります。そのため、地表に落ちてくる雨粒のスピードは落下距離に依らず一定になります。
by kyao (2005-05-03 12:43) 

参明学士/PlaAri

ひそかに読んでいるのです(笑)
by 参明学士/PlaAri (2005-08-17 00:22) 

kyao

参明学士さんへ

こんにちは! レスをどうもありがとうです。(^^)
あや。こちらでお会いするのは久しぶりですねー。(^^)
また読んでくださっているのですか? どうもありがとうございます。嬉しいです。(^^)
最近、so-net blog、調子良いですね。そろそろ戻ってきても良いかなあなんて思ってます。(^^)
by kyao (2005-08-17 08:07) 

参明学士/PlaAri

ちょっぴりずつ感想を書いていこうと思います(何を今頃…爆)。

一応人類は等速直線運動っぽさを無理やり作り出すことは可能ですよね。一定速度で直線を走っている列車とか(でも、カーブが来たら終わり…笑)。この場合、等速直線運動を促している原理自体(駆動部分)は物理法則(特殊相対論)に対して特別な意味を持ちませんから、何とか地球上でも現実味を持たすこともできますね。
こうした慣性系の理解のためにはまず、等速直線運動上と静止状態上での物理法則に変わりはないということから知るのが良いのかなぁなんて思いました^^
>地球を周る人工衛星

GPSなんかを見るとあの速度で動くとやっぱり時間のずれが出るらしいですね。一般相対論を用いて地上との誤差を求めているとか、いないとか言われてました(どっちなんだ笑)。やっと地球関係で相対論が役に立った(爆)アインシュタインも浮かばれそうですね。

>最近、so-net blog、調子良いですね。そろそろ戻ってきても良いかなあなんて思ってます。(^^)

ふふ^^是非お戻り下さい~。でもご主人に見つかってしまうのでは??(笑)
by 参明学士/PlaAri (2005-08-17 14:14) 

kyao

参明学士さん、こんにちは! レスをどうもありがとうです。(^^)

>等速直線運動と静止状態の物理法則に違いはない
うーん…実は違っちゃうんですよー。結局、その辺の理解のために一般相対論があるわけですが。
例えば、運動が完全に相対的であれば、「ロケットが光速で地球から遠ざかっている」ということと、「地球がロケットから光速で遠ざかっている」はまったく同じ意味になってしまうわけです。
ですが、地球に高速で降り注ぐ素粒子の寿命は延びていることが検証されてますから、実際にはやっぱりどちらかが基準にならなければいけない。でも、絶対基準系は存在してはいけない。一見すると矛盾ですよね。(^^)
同様に、静止状態の系と運動状態の系では物理法則が変わってしまうんです。つまり、明士さんが仰っていることこそ、「ゲージ理論」の本質な訳です。(^^)

>地球関係で相対論が役に立った
おお、そうなんですか?? それは知りませんでしたー(笑)。一般相対論は基本的に強い重力場を表すのに適した法則だと思ってましたから。でも、メスバウアー効果とかもちゃんと観測されているくらいだから、そういうものなのでしょうか。(^^)

>でもご主人に見つかってしまうのでは
そうなんですよ。旦那もso-netなんですよねー。だから旦那に関する諸々はExiteの方に書くようにしようかと(悪)。(^^ゞ
by kyao (2005-08-17 21:37) 

Kyaoさん、こんばんは。お久し振りです。
明士さんとkyaoさんの会話?にはついていけませんので、記事本体の話ではなく・・・
どうか、kyaoさん、so-net blogに復帰してください。exblogとの両立は無理ですか?
by (2005-08-17 21:52) 

参明学士/PlaAri

kyaoさん、コメントを頂きありがとうございます^^勉強になりますー。

>うーん…実は違っちゃうんですよー。結局、その辺の理解のために一般相対論があるわけですが。

ですよね^^;私の言葉が足りていませんでした。「特殊相対論は観測者が慣性系から見た場合に成り立つ」という前提を書かないと伝わりにくいですよね。上記の私のコメントには一般相対論にまで踏み込んでいない(意図的にです。それはこの記事のタイトルが特殊と一般の繋ぎ目の役割を果たしていると認識した為です^^)状況です。えっと、どう書けばいいのかな…(爆)
「等速直線運動をしている場では物理法則が静止した場所と同様に成り立つ」と表現するといいでしょうか?そしてこれが基に一つとなって特殊相対論が構築されたという感じで間違いないでしょうか…?(汗)

>地球に高速で降り注ぐ素粒子の寿命は延びていることが検証されてますから、実際にはやっぱりどちらかが基準にならなければいけない。でも、絶対基準系は存在してはいけない。

これは特殊相対論で考えることができるかもしれません。この素粒子は「ミューオン」のことでしょうか?光速に近いミューオンの動きは地上の観測者から見れば「時間の進み方が遅い」はずですよね。そう考えるとミューオンの崩壊までの寿命が延びるわけで地表に到達することが可能ということになりますよね。あるいはミューオンからすれば光速で動いている自らはそれ以外が縮んで見える(ローレンツ収縮)はずです。大気圏の厚さも縮みの効果によって寿命前に地表到達となりそうですね。この場合は特に絶対座標を考えなくても良いのかなぁというのが私の考えです…(汗)

>GPSと相対論

GPSの高度2万キロは地表よりも重力が若干弱くて、その分地上よりもほんの少しだけ時間が早く進むらしいんです。らしいというか相対論だとそうなってしまいますよね(笑)それでその補正を行ったりしているようです。あとは秒速4キロというスピードで動いているので特殊相対論の見地からも時間の遅れが出てしまいます。この辺のことを衛星内部の時計は補正しているようです。そうしないとGPSは正しい情報を提供できなくなりますよね。

>だから旦那に関する諸々はExiteの方に書くようにしようかと(悪)。(^^ゞ

ふふ^^こんなこと書いたらご主人に見つかったらExiteの方もバレるぢゃないですか(爆)
by 参明学士/PlaAri (2005-08-18 00:11) 

kyao

参明学士さん、こんにちは! いくつもレスをどうもありがとうです。(^^)
>「等速直線運動をしている場では物理法則が静止した場所と同様に成り立つ」
はい。一般相対論を加味しないという前提であれば、それが正しい見方ではないかと思いますよー。(^^)
実際には量子論的効果が発生しますから、その物体の周りの場を量子化しないといけないですよね。ただ、単純にその物体の周囲の運動法則についてはその物理法則がゲージ理論である限り、まったくその通りだと私は思いますよー。(^^)

>これは特殊相対論で考えることができるかもしれません
あ、なるほどー。これは明士さんが仰るとおりですねー。勉強させて頂きましたー。どうもありがとうです。(^^)
細かいところを言うなら、これはミューオンに限らずという部分だけでしょうか。いわゆるタージオン全般について言えることですねー。(^^)

>GPSの高度2万キロは地表よりも重力が若干弱くて…
あ、なるほど。やっぱりメスバウアー効果みたいなものが働くんですねー。ふむふむ。(^^)
実際、GPS運用上、人工衛星までの距離って問題にならないのでしょうか? これら測量衛星は、静止衛星軌道とは言わずとも、かなり高い部分を飛んでいるわけですよね? 地表までの距離を考えると、そのタイムラグってバカにならない気がします。それも補正されているのかな?(^^)

>こんなこと書いたら…
うが…やっぱり?(^^;
ぢゃあ、これからはExite一本に絞らないとダメかしら?(^^;
by kyao (2005-08-18 10:42) 

kyao

木鶏さん、こんにちは! ご返事差し上げる順番が違っちゃいましたね。ごめんなさい。m(__)m
つーか、旦那がワケワカな理由で私の部屋をたびたび覗くので、落ち着いて更新出来ないんですよー。ごめんなさいねー。m(__)m

>exblogとの両立は無理ですか?
あ、so-net blogに復帰しても、Exiteのブログと両立はしていくと思いますよ。向こうには旦那にばれたら下手いスレだけ立てて(おっとっと)。(^^ゞ
ただ、ときどきso-net blog、今でも調子悪いときとかあるようですねー。とりあえず、秋くらいまで待って、特に問題がなければ復帰でしょうか。
いろいろご心配、どうもありがとうございます。復帰の際には、また、よろしくお願いしますね。(^^)
by kyao (2005-08-18 10:46) 

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