一般相対性理論、のこと（２） -理解するためのふたつのポイント-

うー…確定申告が終わって気が抜けたのか、身体が熱っぽいです…。CGソフトも来たというのに…でも、がんばろ…。

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以前、特殊相対論のお話をした際、理解して頂くためのポイントをふたつあげました。
一般相対性理論を理解して頂くに当たっても、ポイントとなることがふたつあります。本論に入る前に、まずそこを押さえておきましょう。

1. 狭い範囲でのみ、同じ理論が適応できる
2. 重力質量と慣性質量は等しい（等価原理）

それではまず、1.について解説しますね。
「自由落下」という言葉をご存じですか？　抵抗することなく、地球の重力に引かれるままに落ちることを言います。自由落下する飛行機の中では、一時的に重力の効果がなくなり、すべてのものはフワフワと浮き始めます。水は細かい球状になって漂ったりします。
先の「一般相対性理論、のこと（１）」で少しお話ししましたが、実は人工衛星も自由落下しているのです。そのため、その中では重力が一時的に消失し、いろいろなものが宙に浮いています。

この飛行機内で起きていることと、人工衛星内で起きていることはまったく同じです。つまり、非常に限定した範囲ならば、同じ理論を当てはめてさまざまな効果を説明できると言うことです。
これはつまり、広い範囲に同じ理論は当てはめることが出来ないと言うことを表します。たとえば、全長数百kmにも及ぶ飛行機があり、それが自由落下したとしましょう。すると、飛行機の先頭に乗っている人と、飛行機の尾部に乗っている人では、重力の感じ方が違ってくると言うことなのです。

では次に2.について解説しますね。
「重力質量」とは、私たちが普通に感じている「重さ」のことです。地球の引力に物体が引かれた結果、発生する重さと言ってもいいでしょう。
一方、「慣性質量」という言葉はあまり馴染みがないかも知れません。慣性とはその物体が「動きにくいか」「止まりにくいか」を表した言葉です。

ここで思考実験をしてみましょう。

今、地上にエレベータのような箱があると考えてください。中には人がいます。当然ながら、その人は地球の引力を感じています。ここまでは、よいですね？(^^)
では今度は、何もない宇宙空間に同じ箱があり、中に人がいると考えてください。当然、無重力ですから、中の人は空中を漂っています。
と、エレベータのひもの先にロケットをくくりつけます。ロケットが発射されるとともに、エレベータもロケットと同じ方向にぐんぐん加速されます。このとき、中にいる人はどう感じるでしょう？
さすがに「足下に急に地球が出現した」とは思わないかも知れませんが、引力があるとき同様、自分が足下に向けて引っ張られる感覚はあるでしょう。

さて、ここからが問題です。

それでは、ロケットで引っ張られるエレベータに、気絶させた人を乗せたとしましょう。
その人は、気が付くと自分が下向きの力で引っ張られていることを感じます。では、この人は自分が下向きの力を感じる理由を「引力のため」「ロケットで引っ張られているため」のどちらなのか、区別が出来るでしょうか？

アインシュタインは、このふたつの力を「区別できない」としました。これが「等価原理」です。

今でも等価原理が正しいかどうかを確かめるための検証実験が、いろいろなところで行われています。その結果、非常に高い精度で、等価原理が正しいことがわかっています。
つまり、地球の上に置かれた物質の質量と、地球の重力加速度と同じ力で引っ張ったときにその物体に生じる質量は、極めて近い数値を示す、ということです。

それでは、この等価原理によってどんなことが起きるのかを、次に説明しましょう。

コメント 15

なるほどなるほど
ここも何とか理解できます ＾＾
がんばってますｗ
by MiLD_GiNGER (2005-02-18 11:29) 

MiLD_GiNGERさん、こんにちは。いつもレスをありがとうございます。
おお、何とかご理解頂けましたか！　とっても嬉しいです。(^^)
私の拙い文章でも、何かをみなさんにお伝えできればと思ってカキコしていますので、何よりのお言葉です。ありがとうございます。これからもお付き合い頂けると幸いです。無理せずご一緒くださいね。(^^)
by kyao (2005-02-18 15:39) 

kyaoさん、またこんなツボはまる記事を…。
ですが、私がコメントしちゃうとまた板汚しになってしまいますね。
ガマンガマン…(；一_一)
by 参明学士／PlaAri (2005-02-18 23:07) 

今回も丁寧でわかりやすい解説ですね。

真面目に解説しているのに、「気絶した人」で笑ってしまいました（ごめんなさい）。

お身体お大事に・・・。
by kaz (2005-02-19 00:07) 

参明学士さんへ
こんにちは。いつもレスをどうもです。
>板汚し
とんでもないです。いつも歓迎ですので、気が向いたらいつでもいらしてくださいね。(^^)
今回も５回くらいのシリーズで完結しようかと。今、ちょっち猫の病気で格闘中なので、新規スレは明日以降です。よろしくですー。

kazさんへ
こんにちは。いつもレスをどうもありがとうです。
>気絶した人
うはは。まさか、こんなところで笑いが取れるとは（笑）。私もまだまだ修行が足りない。(^^;
>お身体お大事に・・・
ありがとうございます。昨日は結局、一睡も出来ませんでした。寝不足と体調不良で倒れそう（泣）。
今、猫を病院送りにしてきたところです（ぐは。病院送りって…）。また夕方出掛けねば。
by kyao (2005-02-19 14:41) 

おわ、かなり乗り遅れた！
ゆっくり読んでコメントしたいと思います。
補講みたいだ・・・
by (2005-02-26 16:38) 

スナフさん、こんにちは。レスをいつもありがとうです。
>補講みたいだ
あはは。そう言う感じですか？　では、レポートの提出は来週初めまでにお願いしますね（悪）。(^^ゞ
by kyao (2005-02-26 20:20) 

もう、こうなったら全部の講座にコメントさせて頂きます（爆）
やっぱり一般相対論は重力レンズとか等価原理から入ってきますよね＾＾
加速度運動の中でも説明可能な一般相対論は特殊が出来てから１０年後の発表になっていますね。それにしてもよくこんなことを考えるなぁとアインシュタインを想ってしまいます＾＾
by 参明学士／PlaAri (2005-08-18 02:57) 

参明学士さん、こんにちは！　いくつもレスをどうもありがとうです。(^^)

>もう、こうなったら…
うお（笑）。また、なしてそんなことに。(^^;

>それにしてもよくこんなことを考えるなぁと…
そうですねー。まさしく天才の成せる技というものでしょうか。(^^)
でも、いろいろな文献をみていくと、特殊相対論を発見したときと、一般相対論を発見したときとは、アインシュタインの「ひらめき方」というのかな？　は大分違っていたようです。

エジソンでしたっけ？「１％のひらめきと99％の努力」と言ったのは？
ただ、そのひらめきって、その後の努力の方向性などを決める重要な要素ですから、ひらめきってすごく大切だと思うんですよ。
結果、一般相対論は実を結びましたが、晩年アインシュタインが考察していた「統一場理論」は完成しませんでしたしね。プライベートなこととか、きっと、いろいろあったんだろうなあと。
あ、話が脱線しちゃいました。失礼しました。(^^ゞ
by kyao (2005-08-18 10:52) 

そうですよね。「ひらめき」がなければ何事も進みだすことはできませんよね。
そして、確かな演繹を取り出すためにも帰納的な努力の積み重ねをしなくてはいけないですよね＾＾
世の英雄のひらめきは帰納的思考が呼び起こす高度な演繹であるといえましょう。人間とは不思議なものですね。コペルニクスもニュートンもボーアもアインシュタインも帰納的に積んできたものが、演繹を誘導するという共通項を持っていますね。

＞晩年アインシュタインが考察していた「統一場理論」は完成しませんでしたしね。

現在盛んに研究されているのがこの統一場理論、超ひも論ですよね。果たして相対論と量子論を恙無く説明できる論が現れるかどうか。その辺まで「神のサイコロ遊び」だったらウケるなー（爆）

＞プライベートなこととか、きっと、いろいろあったんだろうなあと。

そうですね。少なくとも私よりはあると思います（激爆）

＞等価原理

一般相対論を語るに外せないのが等価原理ですね。特殊相対論の限定性にもしばられないこの理論の魅力は十分ですよね。つくづく思うのはアインシュタインはよくこんなことに気付くなー、いや、考えようとするなーというのがホンネです（笑）
それにしても慣性力と重力に区別がないことがわかるだけで、凄まじいほどの理論展開にもっていけるのですから感動してしまいます。もし重力と慣性力が等価ならば、落下する箱の中で上向きの慣性力と下向きの重力が打ち消しあって無重力状態になるということですよね。宇宙飛行士が飛行訓練を地球内で行うときに飛行機を使って無重力状態を現出させますよね。あれはようするに等価原理の考え方に沿っているわけですよね。あの飛行機内の無重力状態は確か数十秒くらいしかもたなかったように記憶してますけれど…（汗）
その意味でも野口さんの訓練は非常に厳しいものだったはずですよね。
by 参明学士／PlaAri (2005-08-18 17:36) 

参明学士さん、こんにちは！　いくつもレスをどうもありがとうです。(^^)
>統一場理論
私としては早く完成を見たいですけどねー（笑）。それが現在のGUTの先にあるのか、あるいは明士さんが仰っている超弦理論やツイスター理論の先にあるのかは分かりませんが、宇宙のすべての事象が、たったひとつの方程式で表されるなんて、ものすごいことのように思えます。
でも、きっと、その中には人間の意志や心というものまで記述されていませんから、やっぱりその後にも謎は次々生まれるんでしょうね（笑）。
正直、人間の心まで量子化出来てたまるか、という思いはありますし。(^^ゞ

>等価原理
明士さんが仰るように、これは重力質量と慣性質量が等しいことを表した理論ですが、別の考え方をすれば、これはとんでもないことなんですよね。
本文ではここまで言及していませんが、何らかの物体があれば、その周囲は物体の質量によって歪みます。これが重力であり、重力質量を生む源ですよね。
ところが。
ある物体が加速度運動をしたとします。これによって慣性質量が発生しますが、先の仮定により重力質量と慣性質量は等しいわけですから、加速度運動をしている物体の周囲にも重力場が発生することになります。
本文の例えを借りるなら、エレベータの下にあたかも地球と同じ重力場が発生すると言うこともありうると言うことです。うーん、想像付かない。(^^;
>飛行機を使って無重力状態を現出させます
そう考えても良いかも知れませんねー。(^^)
厳密な意味では異なるのかも知れませんが、地球の発生している重力場が局所座標系に従うものであり、ゲージ理論で記述出来るという証拠のひとつと数えることが出来るかも知れません。(^^)
by kyao (2005-08-18 19:28) 

＞何らかの物体があれば、その周囲は物体の質量によって歪みます。これが重力であり、重力質量を生む源ですよね。

うわー。これを言われると困ってしまいますよね＾＾きっと「無視できるほど小さい影響の値だから大丈夫」とかいういい訳を科学者はしそうですが、カオス的な物理現象を無視できない現在においてそんな言い訳が通用するかどうかはかなーり疑問です（笑）私も実は同じ突っ込みを思い続けていました。（「厳しい」kyaoさんのように言葉に表出しませんでしたが…爆）
だってそんな言い訳したら宇宙船内の無重力（無重量）も表現がおかしいということになってしまいますしね…（笑）結局この混乱は量子っぽい雰囲気に（爆）

＞加速度運動をしている物体の周囲にも重力場が発生することになります。

理屈だけを追求すればどれほど小さい質量のモノでもあればその時点で重力を発してしまいますよね。そうかんがえると、本当に正確で精緻な数値なんて人間には出せるのかなと感じてしまいます。

＞ゲージ理論

これについて書こうと思ったらアルコールらしきものが回ってきて…いえいえ、麦に関するアルコールを６杯程飲んだだけなんですけれどね、よ、酔っ払ってなんていませんですよ…爆。うん。ふーーーー（笑）



あ、あの、文脈とか文章とかもし変だったら、それはきっとア○コールのせいかもしれません…。ま、ま、科学は難しいですから！（言い訳意味不明）＾＾
そうそう、難しすぎて関連記事がないんですよ（笑）
by 参明学士／PlaAri (2005-08-19 01:37) 

参明学士さん、こんにちは！　レスをどうもありがとうございました！(^^)
ふふふ。相当アルコールがまわっているようで（笑）。ここはご挨拶だけに留めておきますねー。(^^)
夏はやっぱりビールなんでしょうねー。私はまったく飲めませんから、射場ホールなどで美味しそうに飲んでいるのを見ると、ちょっち羨ましいです。(^^)
>難しすぎて関連記事がない
あ、ほんとだ（爆）。
by kyao (2005-08-19 08:42) 

う、うあ…。かなり酔っ払っていたっぽいですね…（涙）
文章も変だし（爆）
汚点だぁ…（号泣）
by 参明学士／PlaAri (2005-08-19 11:41) 

参明学士さん、こんにちは。レスをどうもありがとうございます。(^^)

>汚点だぁ…
いえいえ。お気になさらずに（笑）。
っていうか、私は明士さんも酔っぱらうとこうなるってわかって嬉しかったかな？(^^)
私の中での明士さんは、生真面目な人というイメージばかりが先行していましたから、何となく、嬉しかったです。(^^)
by kyao (2005-08-19 14:41)